第9回 ソノサポートセミナー Quest for UST ~症例検討会~
CASE-4 回腸腫瘍(悪性リンパ腫)を先進部とし、
回腸が右側結腸へ嵌入した腸重積症
( PDFはこちらから。印刷向きです ⇒ CASE4(回答・解説) )
F・・・受講者「超音波所見」
I・・・受講者「疑わしい疾患名・鑑別疾患名・治療への付加価値情報」
Q・・・受講者「講師に聞いてみたい事」
A・・・担当講師からの解説
1)F:(初心者です)上行結腸全体に壁肥厚。
I:(記載なし)
2)F:ターゲットサイン(+)。上行結腸内低エコー腫瘤像(+)。腸管が入り込んで
いるエコー像。
I:腸重積(上行結腸Ca,による?)
3)F:(記載なし)
I:腸重積
4)F:回盲部壁肥厚。回腸末端壁肥厚。
I:回盲部腸重積
5)F:(初心者です)(記載なし)
I:腸重積?
6)F:(初心者です)わかりません。腸管がせまい。壁肥厚。
I:イレウス。回盲部?
7)F:(初心者です)上行結腸に腸管の2重構造と壁肥厚。
I:腸重積。(回腸が上行結腸へ重積)
8)F:(記載なし)
I:(記載なし)
9)F:上行結腸壁肥厚?浮腫あり。周囲脂肪織の集積あり。
I:腸重積 susp,
10)F:ターゲットサイン(+)。小さな高エコー。糞石。
I:腸重積
11)F:(記載なし)
I:(記載なし)
12)F:3層、4層の壁肥厚。
I:重
13)F:(初心者です)分かりません。
I:腸管出血
14)F:(初心者です)(記載なし)
I:便秘症
15)F:上行結腸。腸管拡張あり。拡張した腸管内に隆起性病変? 隆起性病変には周囲からの
血流(+)。腸管壁構(厚?)は比較的保たれている印象
I:(記載なし)
16)F:回盲部~上行結腸腫大。内部に腫瘤。
I:下行結腸腫瘍
17)F:concentric ring sign(+) 虫垂腫大
I:(記載なし)
18)F:上行結腸の全周性壁肥厚。どっぷらにて血流豊富。
I:(記載なし)
19)F:(記載なし)
I:腸重積。 腫瘍。
20)F:appe,
I:イレウス
21)F:腸重積。回腸末端~上行結腸。 腹水。
I:腸重積
22)F:右下腹部の回盲部にて、multiple concentric ring sign を認めます。
invaginationの所見と思われます。原因はわかりません。Tumor の検索
I:腸重積症 susp, R/O 腸アニサキス症
23)F:回盲部にtarget sign(+)。
I:腸重積 suspect
24)F:腸管の肥厚がみられ入り込む様な構造を認める。
I:腸重積
25)F:腸重積所見あり。回盲部付近。先端付近に明らかな腫瘤像なし。
I:腸重積 susp,(R/O 盲腸Ca)
26)F:回盲部の壁肥厚を認めます。バウヒン弁から小腸が大腸内に入り込んでいるように
見えます。横断増でダブルリング状に見えます。
I:腸重積。腸炎。
27)F:cecum内腔拡大。均一な壁肥厚。あまり長くない所見。血液が入る。回腸末端。
I:(記載なし)
主例)F:回盲部(バウヒン弁)にターゲットサインを認め、腸重積を疑います。重積部分に
低エコー腫瘤を認め(血流豊富)、これによる重積と考えます。口側回腸の拡張は
無く、通過障害は否定的です。周囲脂肪織の輝度上昇あるもリンパ節の腫脹なし。
腹水なし。
I:回腸腫瘍による腸重積症疑い。現時点での通過障害はないもののイレウスも否定できず。
※:運営中にて症例スライドや解説スライドは余り見られなかったので、あくまで参考程度で。
間違っているかもしれません(汗)。
所見の書き方、英語の使い方、表現など、正しくは超音波専門医或いは、放射線医にご指導を
仰ぐことがベストです。身近にいない場合は、超音波専門医の指導を受け、定期的に学会に参加
してアップデートしている超音波検査士(技師)に相談されるのがベターです。
相談を受けた検査士は、自分で自信が持てない(経験外や十分なコンセンサスが無い)内容の
時は、きっと専門医やベテラン医師に相談してあなたに回答してくれると思います。
最も重要な事は、オーダーした依頼医が何を求めているのか、どんな報告を望んでいるかで
あり、十分なコミュニケーションと信頼関係の構築が大切です。
今回、診療放射線技師の方々に多数ご参加いただきました。心より御礼申し上げます。また、
記載のない方が多い中で、RTの方々は多数コメントを書かれており、大変ありがたかったです。
意味はほぼ同じなのですが、今後のため、超音波用語ついて説明させていただきます。
※LDAは超音波では、低エコー域或いは低エコーSOLなどと用います。
※周囲脂肪織の集積は超音波では周囲脂肪織の輝度上昇(isolation sign)などと用います。