第9回 ソノサポートセミナー Quest for UST ~症例検討会~
CASE-6 限局性結節性過形成
( PDFはこちらから。印刷向きです ⇒ CASE6(回答・解説) )
F・・・受講者「超音波所見」
I・・・受講者「疑わしい疾患名・鑑別疾患名・治療への付加価値情報」
Q・・・受講者「講師に聞いてみたい事」
A・・・担当講師からの解説
1)F:低エコー腫瘤様エコー像(+)。ドプラ反応(+)
I:(記載なし)
Q:放射線治療との関係は?
A:関係ないです。
2)F:肝S4に低エコー腫瘤あり。境界明瞭。後方エコー不変。腫瘤周囲血流(+)。
I:肝低エコー腫瘤
3)F:協会明瞭。類円形の低エコー腫瘤ありS5。内部に血流あり。後方エコー不変。
Hump signなし。
I:転移性肝腫瘍 susp,
4)F:S5肝表に小さな低エコー結節を認める。パワードップラー像では車軸状に流れる
血流(+)。肝表は平滑。肝実質は微細で背景は正常肝かと思われる。
I:FNH
5)F:肝表面にhypoechoic massを認めます。ドップラーにて中心に向かう血流を認めます。
中心性はんこんの所見です。Hump sign(-)。
I:FNH susp, R/O small HCC. R/O hemangioma.
6)F:(初心者です)肝S3に肝実質と比べ低エコーのフローを伴う腫瘤あり。
I:乳癌肝転移?(患者履歴とあわせて)
7)F:S7に境界不明瞭な低エコー腫瘤。Halo(-)。
I:hemangioma または FNH 疑い。
8)F:肝内に腫瘤あり。境界不明瞭で低エコー腫瘤。腫瘤内の血流は放射状にみえる。
I:FNH
9)F:lowechoic mass. 血流(+)。 Meta?
I:meta
10)F:肝内に低エコー腫瘤あり。腫瘤は血流豊富。腫瘤は境界不明瞭。肝表面に近い。
I:肝血管腫疑い。
11)F:肝にlow echoic mass(+)
I:meta susp,
12)F:低エコー腫瘤
I:(記載なし)
13)F:(初心者です)?
I:わかりません。(肝こうへん)
14)F:(初心者です)low echo. 辺縁に血流あり。
I:?
15)F:(初心者です)肝に低エコー腫瘤影
I:meta?
16)F:肝表面に低エコーmass。境界やや不明瞭。表面やや不整。内部は比較的均一。
Massの中心部から放射状にカラフロー増強。
I:(記載なし)
17)F:境界やや不明瞭な等~低エコー腫瘤あり。内部に血流(+)。
I:(記載なし)
18)F:肝内に低エコー腫瘍。腫瘤内に血流豊富。
I:転移性肝腫瘤
19)F:(初心者です)肝実質粗。腫瘍部に血流(+)。
I:肝癌
20)F:円形。境界(明)。内部(低)。血流(+)。
I:(記載なし)
21)F:辺縁不整。低エコー。フロー法にて血流(+)
I:(記載なし)
22)F:(初心者です)肝臓にmass。血流あり。後方エコーの増強あり。わかりません。
I:肝meta?
23)F:S5に低エコー、内部に一部高エコー領域を含む腫瘤像を認めます。
後方エコー増強あり。血流が豊富です。
I:転移性肝腫瘍
24)F:胆のう上部に血流
I:(記載なし)
25)F:(記載なし)
I:血管腫。転移性肝腫瘍。
26)F:肝キノウ正常。低エコー1㎝大のmass。S5血行性に富む。(中心に向かう血流)
後方エコー変化なし。 側方陰影変化なし。
I:FNH(肝細胞腺腫) 経過観察
27)F:肝に類円形の腫瘤を認める。境界明瞭。表面不整。内部エコー輝度低い。
内部は均一で、車軸状血流を認める。後方エコーはやや増強。
I:FNH susp, HCC r/o
主例)F:肝の背景はほぼ正常肝と思われます。肝4/5の表層に約1㎝大の低エコー腫瘤を
認めます。腫瘤は類円形で、境界明瞭、内部は均質、後方エコーは僅かに増強~不変、
パワードップラー(SMI?)にて中心より放射状に向かう腫瘍血管(スポークホイール
アペアランス)を認める。その目でBモード画像を見直すと、中心部に高エコー班を
確認でき、中心性瘢痕と思われます。
I:FNH 乳がんの既往がり、metaも完全には否定できず。
※運営中にて症例スライドや解説スライドは余り見られなかったので、あくまで参考程度で。
間違っているかもしれません(汗)。
平賀先生からの追加コメント
境界については検診時には確かに明瞭ですが、当院で行った精査時は不明瞭であり、FNHの
病理像から推察すると過形成であり、基本的な組織の構成は正常肝とほぼ同一と考えられる
ので、不明瞭な方が良いと思います。
検診時の画像を提示したのは、検診でも十分拾い上げは可能であることを伝えたかったため
です。かえってややこしくなりましたね…
所見の書き方、英語の使い方、表現など、正しくは超音波専門医或いは、放射線医にご指導を
仰ぐことがベストです。身近にいない場合は、超音波専門医の指導を受け、定期的に学会に参加
してアップデートしている超音波検査士(技師)に相談されるのがベターです。相談を受けた検
査士は、自分で自信が持てない(経験外や十分なコンセンサスが無い)内容の時は、きっと専門
医やベテラン医師に相談してあなたに回答してくれると思います。
最も重要な事は、オーダーした依頼医が何を求めているのか、どんな報告を望んでいるかで
あり、十分なコミュニケーションと信頼関係の構築が大切です。
今回、診療放射線技師の方々に多数ご参加いただきました。心より御礼申し上げます。また、
記載のない方が多い中で、RTの方々は多数コメントを書かれており、大変ありがたかったです。
意味はほぼ同じなのですが、今後のため、超音波用語ついて説明させていただきます。
※LDAは超音波では、低エコー域或いは低エコーSOLなどと用います。
※周囲脂肪織の集積は超音波では周囲脂肪織の輝度上昇(isolation sign)などと用います。